自然保護助成基金助成成果報告書
Online ISSN : 2189-7727
Print ISSN : 2432-0943
第28期プロ・ナトゥーラ・ファンド助成 国内研究助成
長野市ため池群における絶滅危惧種シナイモツゴの分布調査とモニタリングサイトの選別 ―ぽんすけ育成会―
中野(小西) 繭小林 和子中島 法子古賀 和人
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2020 年 28 巻 p. 58-68

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抄録

長野市南西部の里山にあるため池群は絶滅危惧種シナイモツゴPseudorasbora pumilaの大規模生息地となっている.本研究では,36ヶ所のため池において,シナイモツゴと外来種(アメリカザリガニ,ウシガエル,コイ,ソウギョ等)の生息状況,および,ため池の管理状況を調べた.その結果,過去の調査(1997~2010年)でシナイモツゴが捕獲された33ヶ所のうち,今回も生息が確認されたため池は27ヶ所であった.確認されなかったため池のうち1ヶ所は放棄による湿地化が進行していた.一方で新たに2ヶ所のため池でシナイモツゴが発見され,生息池は合計29ヶ所(2018年)となった.次に調査を行ったため池の保全の緊急性と重要性をスコア化し保全優先度を求めたところ,最優先モニタリングサイトは2ヶ所に絞られた.今後,在来・外来種数や個体数にも着目しながら,在来生態系の記録,管理,再生に資する情報を蓄積したい.

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© 2020 本論文著者
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