2022 年 31 巻 p. 1-10
本研究は,サンゴ礁と地域住民の暮らしのつながりに関する人文・社会科学的な調査・研究を目的として,鹿児島県与論島にて地域の方と共に漁撈文化の資料収集と記録,対話の場づくりに取り組んだ.具体的には, NPO法人・郷土史研究会・教育委員会・漁業者・農家などの地域の人びととともに「ゆんぬピシバナ調査隊」を結成し,1)漁撈とかかわりの深い村落祭祀の歴史的資料の収集,2)サンゴ礁地形を利用する漁撈活動とそれを支える伝統的生態学的知識(Traditional Ecological Knowledge, TEK)の記録と参与観察,3)サンゴ礁と共に生きてきた歴史文化を再考する対話の場づくりをおこなった.