2021年7月,「奄美大島,徳之島,沖縄島北部及び西表島」が世界自然遺産に登録され,遺産価値である絶滅危惧種や固有種のモニタリングは重要な責務となった.NPO法人奄美野鳥の会では,奄美大島の固有種・絶滅危惧種であるオオトラツグミの市民参加型調査を1994年より毎年実施しているが,今後も継続していくためには調査の担い手の確保や省力化が大きな課題となっている.これに対処するため,本研究では市民参加型調査の継続実施を図るとともに,講演会開催による普及啓発を行い,さらに音声録音装置による効率のよい調査手法の検討を実施した.調査や講演会では,若い世代の参加も得てモニタリングの重要性をアピールした.録音装置による調査では,オオトラツグミの在・不在は確実に確認できたが,密度の把握には工夫が必要であることが示唆された.今後も普及啓発と調査手法の検討を続け,奄美大島の動物の総合的なモニタリング体制の構築を目指したい.