2025 年 34 巻 p. 66-76
防風林は,強風害などを防ぐために設置される低地林である.近年,防風林の境界維持や保育に必要な草刈りが,国内希少野生動植物種アサマシジミ北海道亜種を含む生物多様性保全に寄与することが明らかになった.本研究では,広大な格子状防風林がある北海道根釧地域を対象に,本種の生息状況を解明し,防風林管理による本種の生息地の維持・創出可能性を検証した.その結果,本種の分布は約500 km2の範囲に不連続的な9地点が確認され,全て防風林・河畔林縁に接する草刈り草地に生息していた.また本種は,植生高が低く,土壌が乾燥していない明るい環境で個体数が多かった.今後,本種の生息地周辺の防風林で本種の好む環境や分布・生態を踏まえた管理を実施することで,本種の生息適地の維持・拡大や,生息地間の移動経路の創出が可能である.