日本古生物学會報告・紀事
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16. リベイリヤ類の奥陶紀に於ける世界的分布に就いて
小林 貞一
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1936 年 1936 巻 3 号 p. 52-61

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抄録

1. 此の類の科の名稱Ribeiridae KOBAYASHI 1933 Eopteridae MILLER 1889に改め, 2 RibeirellaTechnophorusの共に獨立せる屬なることを述べ, 3. Ribeiria?prosseri Clarkeは此の類に屬せず本種を基本種として二枚介の新屬Schizopectenを樹立し, 4. 南米ボリビア産のTechnophorus otaviensisを記載す。5. 中下部寒武利紀フオーナ中に於いてはHeraultiaの最もRibeiriaに近似する點より此の類がEopteridaeの祖先型系統に近きものと思考す。6. Eopteridaeは上部塞武利亞紀に於いては東亞, 中下部奥陶紀に於いては北はシベリア, 南はタスマニアに發見され, 太平洋兩測に廣く分布し, 中上部奥陶紀に於いては大西洋兩側に多く, 南は南米ボリビアに發見される。7. 中下部寒武利亞紀にVolborthellaあり, 眞正頭足類は上部塞武利亞紀以降に發展すること, Eopteridaeの系統發達と類す, 寒武利奥陶紀のフオーナ中には或時期には太平洋區域に, 次の時代には大西洋區域に發展するが如き態の系統發達をなすもの其の例に乏しからず, 茲に頭足類, Eopteridae, Dikelocephalidaeの三例を擧げて其の一解釋に及ぶ。

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