1937 年 1937 巻 7 号 p. 42-49
新潟, 秋田の兩縣下に發達する油田地方に, Cassidulina屬有孔蟲が, 多數産出することに就いては, 1924年, 矢部教授, 半澤助教授の御研究に依つて知られ, 三浦半島に於いても, 同年, 兩先生の報告があり, 又最近筆者の一人 (淺野) が, 既に記録した。其後東北帝國大學理學部地質學古生物學教室に蒐集された標本に據れば, Cassidmlina屬有孔蟲は, 現生種, 化石種共に, 日本全國に亙つて, 多数産出することが知られるに至つた。之等の有孔蟲類は, 筆者等の觀察に基けば, 其大部分のものが, 所謂日本要素とも稱すべきものであるが, 日本海側 (裏日本) のものは, CaliforniaのSan Pedroのものと密接な關係がある。