日本古生物学會報告・紀事
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40. 山形縣飛島沖の海底から出た材化石
島倉 巳三郎
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1937 年 1937 巻 8 号 p. 98-103_1

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抄録

1935年の初め, 山形縣飛島沖10mの海底からドレッヂされた木幹化石を, 東京水産講習所の新野助教授から送付せられたが, 調査の結果Ficoxylonに屬する新種であるから茲にその記載を試みた。
該標本は散孔材で, 導管は大きく單獨又は數個結合し, 穿孔は單一, 單位面積 (1mm2) 中に2~5個分布する。切線状柔組織よく發達し, 1~6細胞幅の異性射出線を有し, その縁邊細胞及び垂直柔細胞中には結晶を含むイデオブラストがあり, 所謂“Ficus-type”の材である。既知Ficoxylon (及びFicus) 5種及び現生Ficus屬數種 (調査し得た材5種, 其他は文獻による) と比較するに柔組織の幅及び性質に於て可なりの相違があるので新種と認めFicoxylon angustiparenchymatosumなる名を與へた。

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