日本古生物学會報告・紀事
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122. 東亞産のMacclintookia屬に就て
遠藤 誠道
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1941 年 1941 巻 20 号 p. 33-34

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抄録

此絶滅屬Macclintockiaの分類上の位置は未だ確定して居ない。Oswald HEERは「グリーンランド」の「アタニケルドルク」産標品にDaPhnogeneと命名しCinnamomumに似て居るのでLauraceae (楠科) と考へた。SAPORTA及びMARIONはCocculusに似てゐるからとて之をMenispermaceaeと見た。又Macclintockia trinervisに對してOswald HEERは最初Proteaceaeと見, 次にMenispermaceaeと考へSAPORTA及びMARIONに賛成し, 最後にUrtieaceaeを選んだ。SEWARDは初めMacclintockiaがDioscoreaceae又はLiliaceaeと見て居たが, 最近ではBoehmeriaに似て居るからとて是をUrticaceaeと考へて居る。併しMacclintockia lyalliiに對してはSEWARD及びCONWAYはMelalemca cunningiana(Malayan species)に近似であるとの理由で, Myrtaceaeに屬するものと考へて居られる。最近著者は日本産 (神戸附近のもの) のMacclintockialyalliiの保存良好な標本について反射顯微鏡により詳細に槻察せる結果, その細脈が日本産ヒルムシロPotamogeton franchetii A. Potamogeton franchetii A. BENN et BAAG. に似て居るし, 葉形も大體類似して居るから少くともMacclintockiaの或種にはPotamogetonaceaeに屬するものが含まれて居る可能に性があることを確認するに到つた。東亜産のMacclintockiaで東北帝國大學理學部地質學占生物學教室所藏のものには別記の如き種がある(英文参照)。

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