日本古生物学會報告・紀事
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145. 潟西油田地内脇本村田谷澤産化石貝類
金原 均二
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1942 年 1942 巻 23 号 p. 130-133_1

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抄録

秋田縣南秋田郡脇本村田谷澤の橋の袂なる化石産地は既に大日本帝國油田第26區男鹿島油田地形及地質圖中に指示されて居るが, 昭和13年夏地質調査所技師遠藤六郎學士は同化石産地を含んで其東部及東北部一帯の地質を精査せられ, 共結果は秋田縣潟西油田地形及地質圖並に同詮明書及地質調査所報告第124號秋田縣男鹿半島震災地調査報文中に輯録せられ,. 兩者共近刊の豫定であり, 同技師探集に關はる上記産地産り化石は地質調査所に保存音られてある。化石産地及其附近一帯には同技師に擦れぼ第3系上部統たる鷹巣統鮪川層に島する凝灰質砂岩が發達し, 化石は砂岩中に密集して産し殻質は良く保存せられ, Homalopoma amussitataChlamys swiftiiの如きは微か乍ら未だ色彩を保有して居るものもある。化石は多くは甚だしく水磨され, 破片となつて居るのも少なくなく, 水流の作用で海底に掃き集められたものと推定され, 共顔振れも淺海棲の種類から相當深い海に棲む種類までが混在して居るが, 全體から見ると淺海乃至汀線附近に棲む種類が多い。最も多いのはPecten (Patinopecten) yessoensis及Glycymeris yessoensisであつて, Acila (Truncacila) insignis, Natica (Tectonatica) janthostoma, Macoma nasuta等は之に次ぐ。識別し得た種を第1表に記す。

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