日本古生物学會報告・紀事 新編
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232. FOSSIL ASSEMBLAGES OF MOLLUSCS AND BRACHIOPODS OF UNUSUALLY LARGE SIZES FROM THE PERMIAN OF JAPAN
早坂 一郎早坂 祥三
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1953 年 1953 巻 10 号 p. 37-44_1

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抄録

古生物学では、無脊椎動物胸についても、その矮小集団は屡々研究の対象となつているが.巨大集団の方は、産出の例が小ないためなのか.あまり論議された例がないように思う。この点で、岐阜県赤坂の金生出産の巨大な軟体知の集団と、栃木県萬生に近い鍋山地方産の巨大な腕足類の集団とは、珍らしい例であろう。本文では、鍋山の巨大腕足類集団も、二畳紀ものであることの事実を掲げた。そして、どららも黒色の擺青質 (腐泥真) 石灰岩の薄い層の中に埋蔵されている事は著しい事実である。
これ等の集団に属する個体が巨大に成長したのは、一応環境の影響に依るものとして種々、考究して見たが.結局現在の程度の資料に佐つては、擺青質洗積物を生ずる様な、沼状にくびれた盆地状の浅海中の生活の結果として現はれた病的肥大型と見るべ当ものであるまいか、と結論し得るに止まる。斯様な病的肥大型は屡々それ等の種簇の絶滅の前微と考えられる。

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© The Palaeontological Society of Japan
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