日本古生物学會報告・紀事 新編
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850. 下部白亜系銚子層群産 Karstenicras 属 (アンキロセラス類アンモナイト) の初期殼の形態および, その白亜紀異常巻アンモナイトの系統にとっての意義
松川 正樹
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1987 年 1987 巻 148 号 p. 346-359

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抄録

銚子地域のバレミアン君ヶ浜層から産出したアンキロセラス科に属する異常巻アンモナイト1種を識別してKarsteniceras obataiと命名, 新種として記載した。そして, その成長初期の殼の内部構造と既に報告されている異常巻アンモナイトのそれもあわせて, 超科より高次の段階の分類と系統を議論した。この新種は, Karsteniceras asiaticum (Yabe et Shimizu)に類似する。しかし, その成長中期の段階の殼で, 腹部の肩の位置にある肋に頑丈な疣をもつこと, 成長後期で, 数多くの繊細な条線をもつことで区別される。両種は, 同一の祖先から派生したものと考えられる。準模式標本の一つで成長初期殼の内部構造が観察される。そのうち連室細管の位置に注目すると, 異常巻アンモナイトでも, それが腹部側にあるものと中央に位置するものと二つのタイプに区分できる。これは, 正常巻アンモナイトがその二つのタイプからなるのと同様に, 異常巻アンモナイトが多系統であるとする一つの論拠を示していると考えられる。

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