抄録
YAGレーザによる薄板の精密切断加工において,先細末広の形状を有するラバルノズルがアシストガス流,およびドロスの生成に与える影響について実験的検討を行った.ラバルノズルから噴出されるアシストガス流には自由噴流の場合,垂直衝撃波面が形成されない.それにより,一般的な先細ノズルに比べて試料上ガス圧が高くなり,ドロス低減に有効であることがわかった.また,ノズル内のテーパ部が直線のものと円弧を設けたものを比較した場合,円弧を設けたノズルの方がドロス高さは小さくなった.さらに使用ガス圧に合わせてラバルノズルを設計することによりドロス高さが小さくなる適正範囲を変化させられることも明らかとった.