2010 年 17 巻 1 号 p. 22-26
本研究ではトレーニング方法の相違による体幹伸展筋群の筋活動を比較し,体幹伸展筋群のトレーニング方法における筋活動量の段階付けを行うことを目的とした。被験者には①腹臥位で最大筋力発揮,②腹臥位で対角上下肢挙上,③徒手筋力検査(MMT)5,④四つ這いで対角上下肢挙上,⑤MMT3,⑥逆ブリッジ,⑦ブリッジ,⑧座位で重錘挙上,⑨座位で上肢挙上・頭部伸展を行わせ,その肢位を3秒間保持させた。その際,胸部傍脊柱筋(T9),腰部傍脊柱筋(L3)から表面筋電図(EMG)を導出し,積分筋電図(IEMG)を求めた。その後①のIEMGを基準とし②~⑨の最大随意収縮に対する割合(%MVC)を求め,T9・L3における②~⑨の筋活動量を比較,分類した。その結果,T9ではA②・③・④,B⑤・⑥,C⑦・⑧・⑨に,L3ではD②・③・⑤・⑥・⑦,E④,F⑧・⑨に分類することができた。T9ではA,Bは最大筋力の増強,Cは筋持久力増強に適していることが推測された。L3ではDは最大筋力の増強,Eは筋持久力増強,Fは筋力増強効果が期待できないことが推測された。