理学療法かごしま
Online ISSN : 2436-8458
地域在住の中高齢者における近隣住環境のウォーカビリティと精神的健康状態の関連性
福榮 竜也小野田 哲也愛下 由香里益山 舞希宇都 良大田中 梨美子
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研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2024 年 3 巻 p. 1-7

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抄録
地域在住中高齢者を対象に,近隣住環境のウォーカビリティと精神的健康状態の関連性を明らかにすることを目的とした。測定会に参加した60歳以上の地域在住中高齢者142名を解析対象とした。ウォーカビリティはWalk Score®にて評価し,50点未満を自動車依存地域,50点以上を歩行移動可能地域と定義した。精神的健康状態はKessler 6にて評価し,5点以上の者を精神的健康状態ハイリスク群とした。統計解析は従属変数に精神的健康状態,独立変数にWalk Score®の2群としたロジスティック回帰分析を実施した(共変量:性別,年齢,同居者の有無)。その結果,歩行移動可能地域に居住する者と比較して,自動車依存地域に居住する者は,精神的健康状態におけるリスクの高さに関連した(オッズ比:2.74,95%信頼区間1.06–8.11)。自動車に依存的な地域に居住する中高齢者は,精神的健康状態におけるリスクが高値となる可能性が示唆された。
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© 2024 公益社団法人 鹿児島県理学療法士協会
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