関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第28回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: 55
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内部障害系
腹臥位療法に高頻度胸部壁振動(HFCWO)を併用する試み
―重症肺炎患者への取り組みとその有用性について―
*大久保 裕史玉田 良樹寄本 恵輔鈴木 南中村 靖子
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抄録

【はじめに】  今回,重症肺炎患者に対し,腹臥位療法に高頻度胸部壁振動(High Frequency Chest Wall Oscillation:HFCWO)を併用し,その効果と有用性について検討した. 【対 象】  当院呼吸器内科に肺炎で入院し,胸部CTで両側下葉部中心に強い浸潤影を呈し,呼吸不全に陥った重症肺炎患者3症例.症例1は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)症例,症例2は悪性症候群による嚥下障害のため誤嚥性肺炎を呈したパーキンソン病症例,症例3は長期臥床により沈下性肺炎を併発した急性心筋梗塞症例である. 【方 法】  全症例に対し,腹臥位療法にHFCWOを併用し,10分間の排痰促通を試みた.症例1,2は10日間,症例3は18日間連続実施した.また全症例は呼吸理学療法開始から離床を原則とし,終日臥床にしないようにした.検討項目における経時的評価として,各症例にmodified Rankin scale(mRS),ピークフローメータ(PF値),血液検査値(WBC.CRP),胸部CTで比較・検討した. 【結 果】  全症例とも血液検査値(WBC.CRP)の改善,胸部CTでの肺炎像の改善が認めた.また,症例1,2では呼吸機能およびADLが改善した.さらに,心疾患を合併した症例であってもHFCWO併用は安全に使用することが可能であった. 【考 察】  ARDS, 肺炎などの急性期は,肺病変が背側部や側胸部に浸潤し呼吸不全から生命脅かす最も危険な時期である.そのような時期において,腹臥位療法にHFCWOを併用,また継続的な離床訓練により重症肺炎の改善を示せたことは,呼吸理学療法の有用性を示すものと考える.今後,さらに症例数を増やし,その有用性を示していきたい.

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© 2009 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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