関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第29回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: 42
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口述発表5(生活環境支援系)
当院における短時間(1~2時間)通所リハビリテーション事業運営の取り組み
~第1報~
*藤田 理恵井田 徹三神 景子森 啓介
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抄録

【はじめに】当院では、医療保険でのリハビリテーション(以下リハ)算定日数制限を背景に在宅支援サービスとして、平成21年8月より1時間以上2時間未満の短時間通所リハ・介護予防通所リハを開設した。開設から半年が過ぎ、利用者の実態と当院の取り組みを報告する。 【事業所概要】病院内理学療法室隣に通常規模として開設。1時間以上2時間未満の短時間で、個別リハ・療養指導・健康チェックを主として提供している。物理療法や自主トレーニング機器などは医療保険下での理学療法と共有して使用している。平日の午前・午後の3.5単位、定員は1日20名。専従理学療法士(以下PT)2名(医療保険下でのPT兼務若干名)を配属。 【実績】平成22年2月27日までで通所リハ・介護予防リハ利用者42名(男性21名・女性21名)、要介護31人(男性16名・女性15名)、要支援11名(男性5名・女性6名)。総件数918件(要介護541件・要支援377件) 【サービス内容】バイタルチェック、生活状況確認と療養指導、個別リハ、自主トレーニング(有酸素系マシン、筋力トレーニング、プール)、物理療法など、効果を検証しテーラーメイドのリハサービスを提供している。 【運営内容】通所リハに含まれる送迎はタクシー会社に委託、送迎バスのイメージを払拭し、利用者の受け入れ良好。また1日を開始時間ごと7グループに分け、専従PT2名で必要な個別リハの提供が容易になる目的と、送迎タクシー1台にて運用可能となるよう編制した。 【考察】利用者の特徴として21名:21名と男性も多く、リハを目的に利用される方のみで、医療での外来リハの延長線上に位置づけされている。その為利用にあたり介護認定を受ける方も少なくない。また高血圧症74%、糖尿病43%と内部障害合併者が多い。当院では療養指導を合わせて行うことも重要視しており、結果、自己効力感が高まりセルフコントロールの改善が認められる。また通所リハ開始をきっかけに外出頻度が増加しているケースも多い。これらに伴ない要介護から要支援への改善者が増えており、事業所評価加算へつながるものと考えている。逆に、機能的・生活動作的にも改善または変化はないが、介護度が高くなってしまうケースも認められている。 【今後の課題】開設当初、大きな広報活動はせず運営していたが、見込み通り利用者は増加。今後はキャンセルなどの件数低下を防ぐような運用や利用者の特性にあったグループ分けなど工夫を考えている。また言語聴覚療法も導入しており、当事業所の特徴として更に活用していきたい。

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© 2010 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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