関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第33回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: O-064
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口述発表(一般・症例報告)
維持期脳卒中両片麻痺者に対する長期訪問リハビリテーションが収縮期血圧改善に及ぼす効果の検討
*橋立 博幸澤田 圭祐古屋 仁美芦川 聡宏千葉 美幸広瀬 知宏笹本 憲男
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抄録
【目的】 本報告では,発症後の急性期に基本動作全介助レベルにて 自宅退院した後に30か月間の訪問リハを実施した脳梗塞両片 麻痺者の事例の経過をとおして,訪問リハの継続による収縮 期血圧(SBP)の改善効果について検討することを目的とし た.なお,訪問リハの概要およびデータの学術的利用につい て,対象者および家族に対して説明し同意を得た. 【症例】 69歳,男性,慢性腎不全を既往し,平成22年12月に脳梗塞 両片麻痺を発症した.入院後,医師より予後について機能改 善困難と診断され,発症後1か月に自宅退院し,要介護5にて 平成23年5月より3回/週,40分/回の訪問リハを開始した.訪 問リハ開始時は,基本動作能力bedside mobility scale(BMS) 0/40点と全介助レベルで,両上下肢と体幹に運動麻痺があ り,訪問リハでは家族への介護方法の指導と併せて基本動作 練習を中心に実施した.血圧コントロールが不良(SBP120- 200mmHg)で易疲労と日間変動がみられたため,介入時に 留意してリスク管理しつつ介入内容を随時調整した. 【結果】 訪問リハ開始時から平成25年10月までの30か月間で月平均 12回,計377回の訪問リハを実施し,BMSは平成24年4月26点, 平成25年4月33点と改善した.毎回訪問リハ時のSBPの3か月 間ごとの値について一元配置分散分析および多重比較検定に て比べた結果,訪問リハ開始1-3か月後(平均159mmHg)ま たは13-15か月後(平均187mmHg)に比べて25-27か月後(平 均129mmHg)または28-30か月後(平均128mmHg)は有意 に低い値を示した.また,訪問リハ開始後3か月間ごとの SBPの平均値と訪問リハでの歩行練習の累積実施回数との Pearson相関係数を算出した結果,有意な負の相関が認めら れた(r=-0.692). 【考察】 本症例は発症時に血圧コントロール不良で著しい高血圧を 呈していたが,歩行練習をできるだけ早期から開始し,訪問 リハを継続的かつ長期的に実施することによって,SBPの改 善を促進できた可能性があると考えられた.
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© 2014 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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