関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: O-011
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口述
循環器疾患患者における運動器疼痛有訴率ならびに運動器疼痛による運動実施への影響に関するアンケート調査
西 恒亮岩崎 俊弥中島 邦喜
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キーワード: 循環器, 疼痛, 運動
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抄録

【目的】循環器疾患患者を対象に運動器疼痛ならびに運動実施に関するアンケートを行い,循環器疾患患者における運動器疼痛有訴率ならびに運動器疼痛が運動実施へ与える影響について調査する事を目的とした.

【方法】当院循環器内科または心臓血管外科を受診し基本日常生活動作が自立している203名に対し無記名・自己記入式アンケート調査を行った.アンケート内容は1.運動器疼痛の有無 2.運動器疼痛の部位 3.運動実施の有無 4.運動器疼痛が理由による運動非実施の有無とし,疼痛部位は複数回答とした.対象は運動器疼痛を有する者とし,主治医より末梢動脈疾患による下肢痛と説明受けている者は除外した.

【倫理的配慮】北関東循環器病院倫理審査委員会の承認を得た.本研究はヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則に配慮し,対象者には研究の目的,方法を書面にて説明し同意を得た.

【結果】運動器疼痛を有する者は73名(男性54名女性17 名未回答者2名 年齢71.8±9.9歳)で全回答者の36%,除外基準対象0名であった.疼痛部位は上肢18名,下肢29名,頚部11名,腰背部40名であった.運動器疼痛を有する者のうち運動実施者は33名,運動未実施者は39名,未回答者1名であった.運動器疼痛が理由による運動未実施者は18名で,運動器疼痛を有する運動未実施者の46%であり,疼痛部位は上肢2名,下肢11名,頚部3名,腰背部11 名であった.

【考察】循環器疾患患者において,運動器疼痛が理由による運動未実施患者は運動器疼痛を有する運動非実施者の約半数であり,部位は下肢や腰背部に多い傾向であった.循環器疾患患者の運動実施向上のために下肢痛や腰背部痛の確認や対応が必要であると考えられる.また,運動器疼痛を有していても運動実施の有無が分かれることから,運動実施のために運動器疼痛を有する循環器疾患患者における運動実施に影響する因子を更に検討することが必要であると思われた.

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© 2019 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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