関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第40回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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口述
O1-1 回復期リハビリ病棟患者の入院時Alb 値とFIM から算出した転帰先予測式の有用性の検討-第 2 報-
新井 則善
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キーワード: Alb 値, FIM, 転帰先予測
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p. 11-

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抄録

【目的と方法】 第34 回関東甲信越ブロック理学療法士学会において『入院時血清アルブミン値とFIM の関連性-入院時データからの転帰先予測-』を報告した。第2 報として、新たに対象者を拡大し検討したので報告する。対象は第1 報にて報告した当院回復期病棟を退院した整形外科疾患患者でデータに不備のなかった132 名(以下、前回群 平均年齢81.7±8.9)と、今回新たに収集した155 名(以下、新規群 平均年齢81.1±10.9)。前回群の入院時Alb 値、年齢、性別、入院時FIM(FIM 合計、運動項目、認知項目)から求めた回帰式Z=-0.425+1.244×性別+0.078×年齢+(-1.136×Alb 値)+(-0.044×FIM 合計)を使用し、転帰先(在宅、非在宅)の判別的中率を求めた。

次に前回群と新規群の集団特性の違いを分析し、回帰式の有用性について検討した。尚、本研究はヘルシンキ宣言および臨床研究に関する倫理指針に基づき、当院倫理審査委員会の承認を得ている。

【結果】 判別的中率は、前回群79.5%、新規群80.0%となり、ほぼ同様の結果となった。2 群間において、性別とFIM

合計、運動項目で有意差がみられた。新規群において女性の比率が約1 割低下したが、年齢で有意差は見られなかった。また、入院時Alb 値、認知項目でも有意差は見られなかった。

【考察】 2 群間で明らかな違いは見られず、高齢者が大半を占める当院の患者特性による影響が大きいと思われるため、現状における回帰式の一般化は難しい。今後、対象者の年齢が異なる群に対する検証を行うとともに、対象者数を積み重ねることで予測式の一般化が図れるか検討していきたい。しかし、回帰式による転帰先予測は8 割程度の確率で可能であることから、回復期病棟における予測式の妥当性は高いと考える。今後、臨床場面で試用していくことで式の有用性や妥当性の検討を行っていきたい。

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