関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第40回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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口述
O3-4 Barthel Index とBraden Scale の関係性について
木村 亮介伊藤 晃弘三浦 弘司山本 瑚伯
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キーワード: 褥瘡, Barthel Index, Braden Scale
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p. 24-

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抄録

【はじめに,目的】Braden Scale(以下BS)は皮膚や栄養状態,活動性から褥瘡発生リスクを評価でき,日本褥瘡学会にて高い位置づけで行うように勧められている評価法である.合計点は6~23 点で病院では14 点,施設では17 点以下で褥瘡が発生しやすいといわれている.BS は褥瘡発生予測を簡便に行なえる方法ではあるが,さらに評価時間を短くできる方法はないかと考えた.そこでBarthel Index(以下BI)でBS の点数を予測できれば多くの医療,介護現場で褥創発生予測をより簡便に行うことが出来るのではないかと考えた.

【方法】対象は2020 年5 月1 日から2021 年3 月31 日の間に疾患別リハビリテーションが処方された16 歳以上の入院患者436 名(年齢83±12.5)とした.方法はリハビリテーション初回介入後の48 時間以内にリハビリテーション担当者がBI,研究担当者と分担者がBS を測定しそれぞれの合計点を算出した.統計処理は説明変数をBI,目的変数をBS にした単回帰分析を行った.なお統計学的有意水準は全て5%未満とした.

【結果】BI の中央値は40±30 点,BS の中央値は17±7.64 点であり単回帰分析を行った結果,統計学的有意差は5% 未満であった.

【結論】BI とBS の点数は高い関係性があり,BI が褥瘡発生予測評価として使用可能であると考えた.またBS の14 点と17 点はそれぞれBI で27.5 点,35 点が中央値となった.このことからBI の値が病院では27.5 点以下,施設では35

点以下の症例は褥瘡発生リスクが高いと言えるのではないかと考えた.今回はBI,BS 共に中央値のバラつきが大きかったため,今後は年齢,診断名,介護度,認知機能等,対象を絞り詳細なデータを得ることでBI を信頼して使用できる褥瘡発生予測評価法にしていきたい.

【倫理的配慮】本研究は賛育会病院倫理審査委員会の承認を得て実施した.対象者は本研究の主旨を十分に説明した上で同意の得られた者とした.また対象者が同意の行為を行うことが困難な場合は代諾者に同意を得ることで対象者としてみなす事とした.

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© 2021 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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