主催: 公益社団法人日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
会議名: 第40回関東甲信越ブロック理学療法士学会
開催日: 2021/09/04 - 2021/09/05
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【目的】投球動作などの肩関節運動障害の発生には、肩の内外旋筋の筋力や筋力比が原因となることがあるが、これらを外転位において異なる回旋角度で評価する方法は報告されていない。今回肩関節90°外転位における外旋
45°、外旋90°の肢位で等尺性内旋筋力と外旋筋力を計測する方法を考案し、その信頼性を明らかにすることとした。
【方法】対象は肩関節に既往のない男女19 名(平均年齢29.7±8 歳)とした。計測はアニマ社製ハンドヘルドダイナモメーターμTasF-1 を使用し、5 秒間の等尺性運動を30 秒間の休息を設けて2 回ずつ行った。内旋筋力は肩関節を外旋45°、90°に固定できる傾斜のついた計測台に取り付けたセンサーを前腕腹側部で押すように計測した。
外旋筋力はベッド脚に固定した治療ベルトによって外旋角度を45°、90°に調整し、ベルトの端に取り付けたセンサーを前腕背側部で押すように計測した。1 時間以内に2 人の検査者が計測し、24~48 時間以内に再計測を行った。計測値の平均を元に、日を改めた2日間の検者A の検者内信頼性と、検者AB の同日内の検者間信頼性を級内相関係数(ICC)にて検討した。
【倫理的配慮】本計測はヘルシンキ宣言に則り行った。また、計測に伴って生じるリスクについて事前に説明をし、口頭による同意を得た。
【結果】各計測におけるICC(1,1)、(2,1)は以下の通りであった:外旋45°位での内旋筋力:0.92、0.95、外旋45° 位での外旋筋力:0.92、0.85、外旋90°位での内旋筋力:0.95、0.89、外旋90°位での外旋筋力:0.66、0.78。
【結論】内旋と外旋45°における外旋筋力計測で高い信頼性を得ることができた。外旋90°における外旋筋力のICC が低値である原因としては、角度調整が治療ベルトのみで行われていることや、同肢位では外旋可動域の影響で筋力の発揮が不十分であることなどが示唆される。