関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第40回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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口述
O15-5 Obligate translation による肩前面部痛に対するSupine Napoleon Test の有用性
郷間 光正手塚 純一志水 康太須川 敬
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p. 85-

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抄録

【はじめに】下垂位内旋時における骨頭前方変位はObligate translation(以下,OT)のうちの1つであり,超音波画像

(以下,エコー)で動態評価が可能である.OT は肩後方の硬さが主因とされ,棘下筋・小円筋に対するアプローチで改善することが多いが,稀に難渋する例もみられる.今回エコーによる動態評価でOT を認めた肩関節周囲炎3 例に対して,肩甲下筋(以下,SSC)へのアプローチが奏功し,その機能評価にSupine Napoleon Test(以下,SNT)が有用であったため報告する.

【症例】全例男性で平均56.3 歳,単純X 線やエコー所見に異常はなかった.結帯動作は母指が第5 腰椎から仙骨レベル,水平屈曲可動域は平均86.7°とそれぞれ制限を認めた.挙上や外旋可動域に明らかな制限を認めなかった.Belly Press Test(以下,BPT)は全例陰性,SNT は全例陽性であった.Bear Hug Test(以下,BHT),Lift off Test(以下,LOT)はそれぞれ水平屈曲,結帯の制限により評価できなかった.下垂位内旋運動時にエコーで平均

4.0mm のOT が観察され,最終域で肩前面にNumeric Rating Scale(以下,NRS)平均6.7/10 の疼痛を認めた.

【経過】棘下筋や小円筋にアプローチを実施し,後方の柔軟性は改善したが前面部痛は改善しなかった.そこで,端坐位で肩関節軽度外転,肘関節90°屈曲位を保持し腹部と手掌でボールを挟み,疼痛自制内での内旋運動を5 秒間20 回2 セット実施するよう指導し,SSC にアプローチをした.結果,肩前面部痛はNRS 平均1.7/10 に,OT も

2.3mm と改善を認めた.疼痛の改善とともにSNT は全例陰性化した.

【結果】肩後方の硬さが改善しても疼痛が改善しないOT を伴う症例に対して,SSC へのアプローチで疼痛とOT が改善した.症状の改善とともにSNT は陰性化した.SNT は可動域制限によりBHT やLOT が評価できなくても実施が可能であり,SSC の機能評価に有用であると考えた.

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© 2021 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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