関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第42回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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一般演題
リハビリテーション部門の職場風土良好度がストレス対処力に与える影響について
宮城 春秀内田 かおり橋本 篤山田 真嗣椛島 祥子宮原 英詞下川 龍平樋口 悟
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p. O-079-

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抄録
【目的】 ストレス対処力Sense of Coherence(以下,SOC)は,スト レスに上手く対処する事で心身の健康を守り「健康への力」とされて いる.SOC はセルフケアとして重要で,新卒看護師のメンタルヘ ルス対策として組織風土を高めることがSOCを向上させる,また 作業療法士を対象とした調査でもSOCは良好な職場風土から形成 されると報告がある.職場風土はSOCを向上させるために重要で, 職場風土良好度としての4 因子が評価指標となり,職種に変わらず 活用できることが報告されている.そこで,リハビリテーション (以下,リハ)職の職場風土良好度の4因子とSOC の影響を調査 することを目的とした. 【方法】 対象者は,東京都内のグループ医療法人のリハ専門職129名である. 方法は,2023年4月1日~22日の期間にGoogle forms を 使用しアンケート調査を実施した.アンケートの内容は,個人属性 として年齢,性別,既婚,職種,職位,職務年数,最終学歴,転職 やリハ職以外の仕事の経験を調査した.山崎らが作成した,SOC 日本語版13項目SOC スケールを使用し7件法(1. まったくない, から7.とてもよくある)と職場風土は職場風土良好度尺度を活用し 4件法(1.まったくあてはまらない,から4.あてはまる)を使用した. 統計学的検討は,EZR を用いて正規性を確認しSpearman's の 検定を行った.有意水準はP<0.05とした. 【結果】 SOCと職場風土良好度は正の相関(r=0.36)を示した.SOCと職 場風土良好度の4因子は,役割目標の明確さ(r=0.31),心理的報酬 (r=0.35),信頼と協力(r=0.28),自己表出(r=0.25)であった. SOC 高値群は心理的報酬(r=0.34),信頼と協力(r=0.28),SOC 低値群は役割目標の明確さ(r=0.24)のみであった. 【考察】 職場職場風土良好度の4因子は職種によらず同じ程度で関連すると 報告があり,SOC の高低には因子数の違いと特性が影響している と示唆された.因子の特性を踏まえた組織運営が重要で,更に検証 が必要である. 【倫理的配慮,説明と同意】 本研究は,花と森の東京病院の倫理審査委員会の承認 (2023年 3月8日) を得た.対象者には,研究の説明と同意書,倫理審査委員会 の承認の説明を行い,協力依頼をメールにて送付し,回答による同意 を得て実施した.
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© 2023 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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