関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第43回関東甲信越ブロック理学療法士学会 ・ 第30回千葉県理学療法学術大会 合同大会
セッションID: O4-4
会議情報

一般演題
Phase angleからみた乳がん術後患者へのDocetaxelが及ぼす侵害機序の解明
*山崎 大聖河野 健一石井 秀明吉原 楓井口 紗弥加川野 遥黒田 紋加中島 菜月角田 亘西田 裕介
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キーワード: 乳がん, Docetaxel, Phase angle
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抄録
【はじめに,目的】 生体インピーダンス法にて算出される位相角(Phase angle: PhA)は,reactance/resistance比で算出され,細胞膜の生理 的機能や体細胞量を反映して低栄養で低下する.がん患者におい て体重減少や生化学データより強い予後予測因子とされ,乳がん 患者に対するレジスタンス運動が,細胞内タンパク質の同化,細 胞膜構造の強化等によりPhAを改善させることもわかっている. 乳がん患者に使用する抗がん剤であるDocetaxelは副作用として 食欲不振,全身倦怠感,浮腫を伴い低栄養状態を惹起すること からPhAが低下すると推察される.そこで本研究は,Docetaxel 投与とPhAの関連を観察する点を新規性とし,化学療法による骨 格筋を含めた細胞膜損傷に対するレジスタンス運動の適応を検証 するために,Docetaxel投与が及ぼす細胞膜機能低下の機序を PhAから明らかにすることを目的とする. 【方法】 対象は当院にて乳がんに対して手術を施行した患者44例とし, Docetaxel投与群(D群),Docetaxel非投与群(C群)に群分けを 行った.測定項目は,年齢,身長,身体組成とし,身体組成は Inbody770(Inbody社)にて,体重,Body Mass Index(BMI), 骨格筋指数(Skeletal Muscle mass Index:SMI),PhA,細 胞外水分比(Extracellular Water/Total Body Water:ECW/ TBW)を測定した.統計学的分析はD群とC群の各指標の比較に 対応のないt検定を用いた.有意水準は全て5%未満とした. 【倫理的配慮,説明と同意】 本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理委員会にて承認を受 けた.また,対象者には書面と口頭にて説明を行い,同意を得た 上で実施した(承認番号:22-Ig-233). 【結果】 44例中,D群は10例,C群は34例であった.D群とC群の2群間 の比較において,年齢,身長,体重,BMI,SMI,ECW/TBW は有意差が認められなかった.PhAにおいて,D群(3.9±0.6°)は C群(4.6±0.6°)に比べ有意に低い値を示した(p<0.05). 【考察】 D群はPhAが有意に低下していた.Docetaxelはオクタノール /水分配比が高く,細胞膜のリン脂質二重層に蓄積しやすい. Docetaxel蓄積はアポトーシスや活性酸素による細胞の酸化的損 傷を誘引する.加えて,細胞質が受ける酸化ストレスは,細胞膜 脂質や膜タンパク質密度を低下させreactanceが減少することに よって位相角が低下したと考えられる.本研究の成果としてレジス タンス運動等がDocetaxel投与患者に対するPhA低下予防対策と なり得る新たな知見を得た.
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© 2024 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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