2023 年 13 巻 2 号 p. 107-113
本邦の骨粗鬆症患者は増加傾向である.骨粗鬆症治療上の課題として,患者の検査率の低さ,治療開始率,継続率の低さが挙げられる.これに対し「日本版 二次骨折予防のための骨折リエゾンサービス(FLS)クリニカルスタンダード」ではFLS を多職種がチームとなって活動をすることを推奨しており,理学療法士もその一員である.当院では2022 年度よりOLS,FLS チームを立ち上げ活動している.その成果として,大腿骨近位部骨折患者への骨密度検査率や治療開始率が改善した.また整形外科以外の疾患で入院した骨粗鬆症患者に対して,退院後のリハビリテーション内で骨粗鬆症指導を実施したことで,骨粗鬆症外来の受診率向上へ寄与したことが示唆された.