理学療法とちぎ
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症例報告
人工膝関節全置換術後に膝蓋骨骨折を呈し起立動作の獲得が困難であった一症例
東山 隼人小原 裕次佐藤 泰介
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2023 年 13 巻 2 号 p. 87-93

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抄録

[はじめに]人工膝関節全置換術(以下:TKA)後に膝蓋骨骨折を受傷し,伸展位膝関節支持帯(以下:KB)と代償動作の使用で起立動作が獲得できた症例を報告する.[症例紹介]80 代,女性,右TKA 後+1 月に左TKA 施行.左TKA+5 日目のトイレ移乗時に膝折れをし,左膝蓋骨粉砕骨折と診断(Keating 分類 type2A).大腿四頭筋の筋力はMMT にて1 レベルであった.2 週間のKB 固定と可及的な荷重は許可された.[経過]KB 固定除去後,起立は不可能.再骨折予防の観点から移乗時やリハビリ中はKB を装着し,骨盤前傾と上肢支持を用いる代償動作の使用にて起立動作は獲得となった.[結論]患部の機能改善が困難な症例に対し,患部外機能や代償動作に着目することも重要である.

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© 2023 Tochigi Physical Therapy Association
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