抄録
顧客維持や創造のためにCS向上の企業努力がなされる中,同時期におけるCSとマーケットシェアの関係は相関がないか,負の相関をもつというFornell等の研究が知られている.しかしながら,これはCS向上を目指す企業努力の正当性と矛盾しかねない.そこで本論文ではそのメカニズムを解明するために, CS関連指標とシェアとの関係は,製品・サービスや国によって異なるという仮説のもとに, 8つの国・地域そして8つの製品・サービスのCS関連指標の調査を行った.その結果,先進国か新興国かの国の成熟度と,製品・サービスのその国における相対CS尺度という2つの媒介変数が,両者の関係に介在していること,そして先進国で相対CSが低い製品・サービスのみFornell等の見解は成り立つ,新興国や先進国でも相対CSが高い製品・サービスでは,相関がないかむしろ正の相関をもつことを, CSだけでなく知覚品質,知覚価値,企業イメージ等のCS関連尺度との関係を含めて明らかにした.