RADIOISOTOPES
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原著
胃癌,十二指腸乳頭部癌,GIST(消化管間葉系腫瘍)の診断における[18F]FDG-PETの臨床的有用性-多施設アンケート調査による検討-
鳥塚 達郎伊藤 健吾鳥塚 莞爾
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2008 年 57 巻 1 号 p. 25-31

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抄録

FDG-PETの診断成績についての全国アンケート調査を行い,その集計結果より,胃癌(173例),十二指腸乳頭部癌(10例),GIST(消化管間葉系腫瘍:15例)の診断におけるFDG-PETの有用性について検討した。X線CT,MRIなどの従来の形態画像と比べて,胃癌の診断ではFDG-PETの「有用性が高い」が47.4%(82/173),「同程度である」が45.1%(78/173),「有用性が低い」が7.5%(13/173)であった。十二指腸乳頭部癌の診断ではそれぞれ20%(2/10),70%(7/10),10%(1/10)であり,GISTの診断では40%(6/15),46.7%(7/15),13.3%(2/15)であった。FDG-PETは原発巣では「有用性が高い」,転移巣及び再発巣では「有用」の診断成績が得られた。原発巣の診断では対象の大多数が進行胃癌であったことが比較的良好な結果に反映されていた。転移巣,再発巣の診断においては,FDG-PETは他の画像診断では評価困難な病変を検出することが認められており,FDG-PETの与える有用な情報によって不必要な手術が回避され入院期間が短縮されるといった医療経済効果も期待できると考えられた。

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