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核医学検査における安全管理等に関するアンケート調査報告 第8報
社団法人 日本アイソトープ協会 医学・薬学部会 核医学イメージング・検査技術専門委員会
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2008 年 57 巻 7 号 p. 437-465

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抄録

日本アイソトープ協会医学・薬学部会核医学イメージング・検査技術委員会では,核医学検査時の事故発生の実態を把握し,安全を確保することにより被検者が安心できる検査を提供することを目的として,1986年に第1回調査を行って以来,今回は第8回目の調査を実施した。全国の医療機関1300施設及び衛生検査所21施設の計1321施設を対象とし,1034施設(回収率78.3%)から回答が寄せられた。
保有資格別による核医学検査従事者は,診療放射線技師が約60%,医師が約20%であった。ただし,大学病院では医師が32%であった。臨床検査技師は全ての施設において漸減した。2検出器型,3検出器型SPECTは漸減し,PET/CT複合機は急増した。SPECT装置の保守点検率は約80%であったが,使用年数が経った単検出器ガンマカメラや単検出器SPECTの保守点検率が低かった。フィルムレス運用が25.3%の施設で行われていた。実施率では大学病院が高かった。核医学検査時の事故及び事故未然例は,前回の調査に比較して減少していたが,検査台への移動時や検査中での転倒,転落事故があった。核医学技術者の不安として,装置の安全機構に関すること,検査台の狭さと高さに関することが多かった。またメーカに対する要望として,装置の安全情報の迅速な提供と異メーカ及び装置間の互換性(標準化)を望む声が多かった。
以上のことから今回の調査から新しい傾向を見ることができた。今後これらを参考にして核医学の発展と安全確保のために引き続き努力する必要がある。

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