RADIOISOTOPES
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アラニン線量計を用いた北海道士幌町農業協同組合士幌アイソトープ照射センターの線量分布測定
宮原 誠廣庭 隆行増水 章季原 英之岡野 和史武川 哲也須永 博美
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2009 年 58 巻 12 号 p. 815-823

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抄録

北海道士幌町にあるばれいしょの照射施設は30年以上に渡り,フリッケ線量計で線量管理を行ってきた。このシステムは,自家製であるために測定値に個体差が生じる可能性がある。一方,現在広く使用されているアラニン線量計システムは現在市販されている。本研究ではこのアラニン線量計システムがフリッケ線量計システムと同様に適用できるか否かを確かめる目的で,実際にばれいしょの照射コンテナにおける表面線量分布を測定した。具体的には営業運転中の2009年1月にメークイン,3月に男爵を用いて,照射を実施した。本実験の結果,表面の均一性は1.08(最大線量は149.1Gy,最小線量は137.3Gy)であった。最大線量を与える領域はコンテナの端から水平方向に80cmにある垂直線上にあって,上端から20cm~60cmの範囲にあった。これらの線量分布は設計仕様概念にほぼ一致しており,フリッケ線量計を用いて,30年以上この設計仕様に合致して線量管理されてきた施設であることから,このアラニン線量計システムはフリッケ線量計システムと同等の線量分布測定システムとして適用できると考えられた。

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