RADIOISOTOPES
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総説
RIを用いたマイクロドーズ臨床試験とその創薬実用化への展望
矢野 恒夫渡辺 恭良
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 58 巻 3 号 p. 101-113

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抄録

分子イメージング研究が進展し有望なPETトレーサが数多く見出され,RIで標識した薬物を用いた臨床試験によって,RIの利用に新たな分野が広がってきている。平成20年6月に厚生労働省から公示されたマイクロドーズ臨床試験ガイダンスは,治験としてPETトレーサ等を開発する際の制度的基盤となる。本総説では,これらを解説すると共に,RI標識体も含んだ内容に改正された治験薬GMP,マイクロドーズよりも投与量を増量した準薬効用量(II)型や薬効用量(III)型を含む早期探索的臨床試験ガイダンス,更にバイオ医薬品のマイクロドーズ臨床試験ガイダンス構築へ向けての,主としてレギュラトリーサイエンス面の議論を展開する。最後に,PETトレーサ等をメディカルイメージング剤と診断薬の二段階で承認申請する米国FDAガイダンスの意義を論じ,RIの創薬実用化への道筋を展望したい。

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© 2009 by Japan Radioisotope Association
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