RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
原著
胸部FDG PET画像上での肺結節検出能に関する実験的息止め撮像の検討
津田 啓介佐々木 達也岩渕 勇人根本 幸一森山 紀之福士 政広藤井 博史
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2010 年 59 巻 10 号 p. 587-598

詳細
抄録

最近,呼吸運動のPET画像への影響を抑制するために,息止め胸部FDG PET検査が行われる機会が増加している。しかし,患者にとって30秒間以上の息止め撮像は容易ではない。撮像時間の短縮が可能かどうかを検討するため,胸部PET画像における息止めの効果をファントムを使って実験した。180秒間の呼吸運動に摸した連続運動状態で撮像された画像を,60,90,120,150,180秒間(15秒間×4,6,8,10,12回)の各収集時間で撮像された静止画像と比較した。撮像時間の短縮により,バックグランド領域のカウントの統計変動が増悪したが,180秒間の連続運動下で撮像された画像と比較して,60,90秒間の撮像時間の静止画像は直径10mmの小さな結節を可視化できた。著者らの研究から,息止めにより,より短い撮像時間で胸部FDG PET画像上のより小さな結節が検出できることが示された。

著者関連情報
© 2010 by Japan Radioisotope Association
前の記事 次の記事
feedback
Top