RADIOISOTOPES
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中性子回折の基礎と応用(基礎8)
中性子反射率測定による表面界面構造解析の基礎
武田 全康
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 59 巻 11 号 p. 675-692

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抄録

進行する波が平坦な境界(界面)に当たると反射,屈折現象が起こる。中性子は,粒子であるとともに波の性質も併せ持つため,界面では,ある条件下で反射・屈折といった光学的性質を示す。中性子反射率法は,この中性子が示す光学的性質を利用して,物質がそれぞれ固有に持つ散乱長密度の深さ方向の変化を測定することによって,測定対象となる物質の厚さ方向の構造変化を非破壊的に調べる手法である。中性子反射率法は,ナノサイエンス,ナノテクノロジーの研究において,新規な物理現象や機能発現の場となっている積層構造を持つ物質の,埋もれた界面に関する構造情報を得るのに,X線反射率法と並び重要な研究手法となっている。

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