RADIOISOTOPES
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中性子回折の基礎と応用
(応用2)La1.5Ca0.5CoO4の中性子と放射光X線回折による結晶構造と電荷秩序の観測
堀金 和正
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 59 巻 2 号 p. 127-134

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抄録

中性子線及び放射光X線を相補的に用いることにより,La1.5Ca0.5CoO4の結晶構造,電荷秩序パターン及びCoの価数の絶対値が決定された。収束電子線回折測定から特定した空間群A2mmとBm2mの2ドメインを考慮した構造解析により,電荷秩序相の結晶構造を中性子散乱実験により決定した。特に,二つのCoサイトを持つ構造であることが明らかになり,Co2+/Co3+が市松模様型に配列することを示唆する結果が得られた。また,共鳴X線散乱実験によりCo2+/Co3+の市松模様型の電荷秩序に対応した共鳴ピークを(3,0,0)において発見した。中性子散乱より求めた結晶構造パラメータを用い共鳴散乱強度の絶対値の評価を行い,Coの価数がCo2+/Co3+にほぼ完全に秩序化していることを明らかにした。

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