RADIOISOTOPES
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放射性廃棄物収納容器中のウラン放射能簡易定量評価のためのγ線計測方法
横山 薫杉杖 典岳
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2011 年 60 巻 10 号 p. 409-416

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抄録

放射性廃棄物収納容器中に含まれるウラン放射能を定量する方法として,廃棄物密度が均一の条件で,不均一な線源分布とγ線計数率を線形関係で結ぶ評価モデルを導出した1)。この評価モデルにより,廃棄物容器内の密度が均一と見なすことが可能な状態については,線源分布状態によらず,ウラン放射能が定量可能であることを示した。一方,密度不均一,線源分布不均一の放射性廃棄物を収納した容器への適用は課題となっていた。このため,密度が不均一な廃棄物容器のγ線計測を,廃棄物容器の中心から等しい距離の3次元位置(球面)において多数点測定し,計測値を幾何平均して,密度不均一の放射性廃棄物から近似的に密度均一の状態を作り出す方法を考案した。この手法により,密度が不均一の状態であっても,線源分布状態とγ線計数率の関係を,ウラン系列で放出される二つのエネルギーのγ線計数率の比の幾何平均R,及び放出率の比kから定義される1/(ln(k/R))2と,1001keVのγ線計数率の幾何平均nで与えられることを示した。この方法の妥当性を評価するため,いくつかの計算モデルについて,モンテカルロシミュレーションコードを用いて,検証した。この結果,1/(ln(k/R))2nの間に直線関係があることが示された。

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