RADIOISOTOPES
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原著
水溶液中微量ホウ素除去のための高圧クロマトグラフィー研究
―動的吸着容量の改良―
武蔵 正明市川 寛之大井 隆夫松尾 基之
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 61 巻 11 号 p. 531-537

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抄録

水溶液中から極低濃度の放射性物質を除去するための技術改善策として,高圧イオン交換カラムクロマトグラフィーを最大圧力19MPa,温度5℃あるいは25℃の条件で実施し,動的吸着容量(q)の改善を検討した。実験には安定核種であるホウ素を使用し,0.10mmol L-1溶液からのホウ素回収実験を試みた。その結果,q値は高圧で低温ほど大きくなり,19MPa(5℃)で本実験の最大値(2.33mmol g-1)を得た。この値は標準状態に比べて1.7倍動的吸着量が増加したことを意味し,圧力・温度制御により微少量溶質の除去効率を向上できる可能性を示した。

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