2012 年 61 巻 8 号 p. 449-462
パルス中性子イメージングでは,材料を透過してきた中性子の波長依存スペクトルを位置ごとに測定する。透過スペクトルの低エネルギー領域には,ブラッグエッジと呼ばれる特徴的パターンが現れる。ブラッグエッジには結晶構造・結晶相・集合組織・結晶子サイズ・ひずみといった各種結晶組織構造情報が含まれているため,本手法によりこれら構造情報を広範囲にわたって非破壊的に可視化することが可能となる。本稿では,新しいマテリアル解析ツールとして期待されているブラッグエッジイメージングの原理と特徴,測定例について紹介する。