抄録
地下水トリチウム年代は地下水流動の重要な実証情報である。トリチウム測定技術の適用は新規な調査産業の創出として期待できる。月毎採取の降水トリチウム濃度は東京地域において56年間にわたって観測され,放射線医学総合研究所のウェブサイトにデータベースとして公開されている。地下水年代測定のために,涵養降水のトリチウム濃度を知る必要がある。前報で提示した理論式及び地域定数を使い,データベースから得た年間最高値,年間最低値を用いて涵養降水のトリチウム濃度を算出した。日本列島をカバーする4地点(札幌,新潟,東京及び松山)における涵養降水のトリチウム濃度表を提案した。論理的な意義を持たせた涵養降水トリチウム濃度表は水文学的解析に有用となろう。