2013 年 62 巻 4 号 p. 183-190
神奈川県内の2011年産秋冬番茶及び2012年産一番茶について,同時期の古葉の137Cs濃度との関係を解析した。その結果,2012年産一番茶では,古葉及び新芽の137Cs濃度は,相関係数0.663(p<0.01)と統計的に有意な正の相関が認められた。同様に,新芽と古葉の137Cs濃度比は,採取までの日数との間に相関係数-0.771(p<0.01)の有意な負の相関が認められ,新芽の生育に伴う137Cs濃度の希釈効果が示唆された。また,冬期の古葉137Cs濃度から翌年一番茶新芽の137Cs濃度を予測する回帰式の相関係数は0.783(p<0.05)で,決定係数は0.558であった。さらに,2012年産一番茶新芽の137Cs濃度は,2011年産の約1/6~1/25であった。