2015 年 64 巻 3 号 p. 207-217
40数年前頃より分析用NMR装置の技術進歩により安定同位体である13Cのシグナルを高感度に検出することが可能となり,D-[1-13C]グルコースを用いた脳代謝研究が始まり,in vitro,ex vivo研究によりニューロンとグリア―アストロサイト―の間で代謝的交流が行われていることが示されてきた。また,20数年前頃よりサーフェイスコイルを用いたin vivo(非侵襲的)測定法が開発され,ヒト脳での代謝研究が行われ,代謝的交流が精神・神経疾患によって変化することが見いだされている。