2015 年 64 巻 5 号 p. 319-333
東京電力福島第一原子力発電所事故発生から約半年後の平成23年9月1日から2年間の,宮城県南部地域の子どもを対象とした光刺激ルミネッセンス線量計による被ばく線量調査結果を報告する。宮城県では自治体による被ばく線量調査は実施されていないため,本報はこの地域での唯一のまとまった調査報告である。併せて,屋内外滞在時間の調査結果も報告する。いずれの年齢でも自宅屋内に14~15時間と一番長く滞在しており,自宅と学校の屋内滞在時間を合わせると屋内に約21時間滞在していた。この結果は,個人の被ばく線量を解釈するうえで,また,被ばく線量低減策を講じるうえでもきわめて重要な情報である。