2016 年 65 巻 3 号 p. 129-135
カキのへたを経由した放射性セシウムの移行を明らかにするため,生育中のカキのへたに可溶性の137Csを含む水を添加し,収穫した果実の137Csを測定した。その結果,137Csを含む水を処理した果実の果肉中の137Cs濃度は無処理区よりも高く,また,生育前半期に果実内へ移行した137Csは,収穫期まで果実内に維持されていたことが明らかとなった。これらの結果から,生育期間中にへたに付着した可溶性の137Csは果実内に移行し蓄積することが示唆された。