RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
総説
宇宙を観測する新しい窓・重力波
三代木 伸二
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2017 年 66 巻 2 号 p. 61-75

詳細
抄録

2015年9月14日に,史上初めて,アメリカの重力波望遠鏡LIGOが連星ブラックホールの合体からの重力波を検出しました。これは1915年にアインシュタインの一般相対性理論で予測された重力波を直接的に検証した偉業であるとともに,ブラックホール,及び連星ブラックホールがこの宇宙に存在することの直接的証明にもなっています。さらに2015年12月26日にも連星ブラックホールの合体からの重力波の信号が発見され,このような複数の検出により,非常に強い重力場における一般相対性理論の正しさが強く示唆され,重力波による全く新しい天文学が幕を切って落とされました。しかし,この歴史的な重力波の検出に至る道のりは極めて厳しく,キロメートルの基線長を持つレーザー干渉計重力波望遠鏡のその基線長の10−22の相対変化をとらえる性能を獲得するために,実に40年を超える努力がなされ,そして,重力波初検出後の今もなお,さらなる性能向上のための極限技術の開発が継続されています。本総説では,一般相対性理論における重力と重力波,重力波の波源,重力波望遠鏡の開発の歴史と様々な雑音対策,今回の重力波検出によって判明した内容,そして,将来の重力波望遠鏡計画について紹介します。

著者関連情報
© 2017 公益社団法人日本アイソトープ協会
前の記事 次の記事
feedback
Top