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核融合研究開発の最近の状況
3 ITERの歩み,現状と計画
井上 多加志 草間 義紀杉本 誠奥野 清中嶋 秀夫
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2018 年 67 巻 4 号 p. 127-132

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抄録

ITER計画は,フランスのサンポール・レ・デュランスで建屋の建設が急ピッチで進められており,並行して日欧米露中韓印の参加7極において,ITERの核となる機器の設計・製作が進展している。日本が物納調達の責任を有するトロイダル磁場(TF)コイル用及び中心ソレノイド用の超伝導導体,TFコイル・同構造物,中性粒子入射加熱装置(NB)用高電圧電源,電子サイクロトロン波(EC)加熱装置のジャイロトロン等については,国内における製作が順調に進展している。2016年11月,参加極の政府高官から成るITER理事会は,ITERの運転開始となるファーストプラズマを2025年12月,その後段階的に運転範囲を拡張し,本格的に核融合反応を起こす運転を2035年に開始するという計画を決定した。本稿ではITER計画の歩みを振り返るとともに,日本がITERに物納するTFコイル,NB用電源,EC装置ジャイロトロンの製作の進捗を報告し,さらにファーストプラズマ,核融合運転に向けた計画を紹介する。

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© 2018 公益社団法人日本アイソトープ協会
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