2018 年 67 巻 5 号 p. 213-219
ストロンチウム(Sr)吸着材を構成するチタン酸ナトリウム(ST)の前駆体であるペルオキソチタン錯体(POTC)アニオンをジメチルアミノエチルメタクリレート重合繊維へ繰り返して吸着固定し,これをNaOHと反応させSTに転化・析出することによって,Srイオンを海水中で,高容量で捕集するSr吸着繊維を作製した。10回の繰り返し吸着固定後にNaOHとの反応によって得られる吸着繊維のST担持率は1回の担持によるST担持率18%の1.6倍(29%)に増加した。10回の担持で,人工海水中でのSr飽和吸着容量も1.5倍(2.9 mg-Sr/g)に増えた。