RADIOISOTOPES
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8章 【放射線生物】放射線生物におけるHIMACの役割
8.2.1 炭素イオン線による水相における活性酸素種の生成
松本 謙一郎 乳井 美奈子上野 恵美小川 幸大中西 郁夫
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 68 巻 10 号 p. 681-691

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抄録

炭素線によって水溶液中に生じるヒドロキシルラジカル(·OH),過酸化水素(H2O2),及び酸化反応の量を,電子常磁性共鳴をベースとする方法により測定し,X線のそれと比較した。·OHの生成は炭素線の軌跡上に局在しているものと思われ,ミリモラーあるいはモラーレベルの異なる生成密度があることが示唆された。ミリモラーレベルの·OH生成,過酸化水素生成,及び酸化反応の量はLETが高くなるにつれて減少した。放射線による活性酸素種(ROS)の生成は分子レベルのミクロな環境では一様ではなく,またその量はLETに依存して変化することがわかった。このようなROS生成の違いによって炭素線とX線との線質の違いを生み出している可能性が明らかになりつつある。

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© 2019 公益社団法人日本アイソトープ協会
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