2019 年 68 巻 12 号 p. 817-827
CALorimetric Electron Telescope(CALET)実験は,国際宇宙ステーションにおける高エネルギー宇宙線物理学のミッションであり,米国,イタリアとの国際共同研究として日本が主導的な役割を果たしている。CALETの主要な目的としては,高エネルギー電子の近傍加速源の探求,銀河宇宙線の加速・伝播機構の解明,及び暗黒物質の探索などがある。2015年の10月中旬に観測を開始して以来,高エネルギーシャワー(>10 GeV)をトリガーする運用が,現在まで継続的かつ安定的に行われおり,その観測成果について報告する。