2019 年 68 巻 5 号 p. 345-354
福島県内4カ所のほ場で栽培されている全ての樹体のカキ幼果の137Cs濃度を測定した。その結果,同一ほ場内においても幼果の137Cs濃度は異なっており,幼果の137Cs濃度が高い樹体が稀に存在することが明らかとなった。また,歩行型放射能測定システム‘KURAMA-II’を用いて地表面の放射能汚染密度,樹体の表面線量,樹体の幹周長をそれぞれ測定し,幼果の137Cs濃度と比較した結果,測定した各項目と幼果の137Cs濃度との関連性は認められず,放射能汚染リスクの高い樹体をこれらの手法で推定することは困難であった。