2021 年 70 巻 3 号 p. 131-145
南アルプス北東縁~東縁を通る糸魚川–静岡構造線活断層系に属する下円井断層及び鳳凰山断層の活動性評価をESR(電子スピン共鳴)法を用いて実施した。既に活断層に認定されている下円井断層の最新活動年代(Ta)は,Ta≤1.04±0.14 Maとなり,ESR法の原理が成立していることが確認された。一方,地形的な特徴から推定活断層と見なされている鳳凰山断層からは,Ta≤0.58±0.10 Maという結果が得られ,鳳凰山断層は中期更新世以降も活動した活断層である可能性が非常に高まった。