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立教大学原子力研究所敷地および周辺のα-放射能の測定について
白石 文夫小林 久夫永原 照明
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1961 年 10 巻 2 号 p. 194-200

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抄録

1) ZnS (Ag) シンチレーターを用いて低バックグラウンドの装置を作り, 低レベルの水, 海水などの全α-放射能の測定を試みた。
2) 試料の挿入の簡単にできる暗箱を作り, 電源によって誘起されるライン・ノイズや光電子増倍管によるサーマル・ノイズの少ない増巾器を用いた。利得約200の4段の二重饋還の増巾器を用い, これにより長期にわたって連続運転させることができた。測定条件で装置を動作させたとき, 装置のバックグラウンドは31時間で32個であった。
3) 最適のシンチレーターの厚さを決定するために, プラスチックのべースの上にZnS (Ag) をアルコールで懸濁して塗布した。各厚さの特性をしらべるために, 210Poのα線源を使用して全計数効率やパルス波高の平均値などの測定を行なった。その結果, シンチレーターの厚さは大体10mg/cm2がよいことがわかった。
4) 測定試料の較正には, 試料の厚さによる自己吸収, 幾何学的条件などすべてを含む計数効率を求めた。較正試料の中には硝酸ウラニルがU約2重量%で混入してある。
5) この装置で試料を測定した結果, IAEAの勧告値約10-9μc/mlは十分測定できる。また, 試料を処理したのち残さ量400mgでは, 約2×10-7μcのα-放射能がバックグラウンドと同程度の計数値をもって検出できる。
終りに本実験のために終始ご指導とこ激励下さった細江正尚教授, また種々有益なご助言をいただきました理学部の道家忠義助教授に厚く感謝いたします。なおこの実験に協力された佐々木確氏および藤田武君に厚く感謝いたします。

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